明日はいよいよ体育祭。
テントの設営やライン引きなど、実行委員の仕事を終えてから野球部に合流。
ドリンクの補充やタオルの交換、ボール拾いなど、グラウンドを駆け回っていた時。
「……ッ……」
突然、左足のくるぶしあたりに痛みが走った。
どこからか飛んできた球が当たったみたい。
「痛たたた……」
ボールの勢いはかなりあって、ジワジワと鈍い痛みが足に広がる。
思わずその場にしゃがむと。
「わっ、大丈夫っすか?コールドスプレーもってきます!?」
ちょうど通りかかった2年生の部員に見られていたようで、足首を覗き込まれて。
あたしは慌てて立ち上がる。
「だ、大丈夫。あとで自分でやるから」
あたしってばドジだな。
どれだけ邪魔なとこに居たんだよねって話。
マネージャーが選手にコールドスプレー持ってきてもらうなんてあり得ないし。
へへっと笑って余裕な表情を見せ、スプレーの置いてあるベンチに向かおうとすると。
「マネージャー!」
「あ、はいっ!」
別の所から声が掛かり、あたしは足の痛みも忘れて走って行った。
空にはキレイな夕焼けが広がっている。
明日は雨の心配もなさそう。
体育祭日和になりそうだ。