「凛音」


「十夜!」


三人から離れたちょうどその時、背後から十夜に声を掛けられた。


それを合図に“遊び”は終了。


相手していた三人が「疲れたー」と言ってその場に仰向けになって倒れる。


それを見てフゥと小さく息を吐き出した。


……ったく、こっちの方が疲れたっつーの!


身体鈍ってんのに流石に三人はキツい。


けど、久々にした“遊び”は楽しかった。


やっぱあたしは頭使うより身体動かす方が好きだ。


って。


「十夜、駄目!こっち来ないで!」


「あ?」


あたしの手を掴みに来ようとする十夜から後退し、待ったを掛ける。


「あたし汗臭いから近寄らないで!」


忘れてた。忘れてたよ。

完璧忘れてた。


九月が近いと言えど今はまだ夏。

あたしからするとまだまだ真夏だ。


こんな遊びをしたら汗をかく事ぐらい分かっていたのに。


あぁー、最悪!



「別に汗臭くねぇし」


「これから汗臭くなるの!」


「何だよそれ」


あたしも意味分かんないよ!

あぁ、もう!取り敢えず臭いったら臭いの!


「……って、だから来ないでってば!」


もう!乙女心全然分かってないんだから!