-客観的視点-


「やーっと見つけたぜ、Dさん達よぉ」


「……チッ」



凛音達が閉じ込められる数分前、煌達は“D”と対面していた。





Dを捕らえる為、凛音達と別れ、ロフトに繋がる階段を駆け上がった煌達四人。


だが、ロフトについた時にはもう三人の姿はなく、まるで最初から誰もいなかったかのように静を漂わせていた。


四人は手分けをして古びた棚や機械の間を探したがいくら捜しても三人は見つからない。


そんな筈はないと全員がそう思った時、煌が一番奥にある薄汚れた扉を見つけた。


煌は導かれるようにその扉を開ける。


すると、耳に入ってきたのは複数の足音。


煌は三人を呼び、直ぐ様その足音がする方向へと走り出した。


耳だけを頼りに長い廊下を走り抜ける。




「此処は一体……?」


「……分かんねぇ。けど、倉庫には見えねぇな」


「……いたっ!奴等だ!」



煌が壱の呟きに応えたすぐ後、陽がDを見つけた。


廊下の終わり、いや、廊下を抜けた先にDはいた。




「やーっと見つけたぜ、Dさん達よぉ」


「………チッ」


向かい側にある階段を下りている真っ最中だったD。


標的を見つけた煌達は、円形になっている廊下を全速力で走り抜ける。



廊下を抜けた先、そこにあったのは天井まで伸びる吹き抜けで、その吹き抜けはデパートやホテルで見るものとよく似ていて、円形の廊下で一周出来るようになっていた。


その廊下のちょうど向かい側にあるのがさっきDが下りていった階段だった。