「戻りました」

「ちょ、真冬!? 小町ちゃんは大丈夫なのか!? 俺も病院にいこ、」

「こ、こんばんは」

「こ、小町ちゃん!? なんでここに!? 病院にいるんじゃ。い、生きてる? 幽霊とかじゃないよな? けがは!? 大丈夫なのか!?」

「だ、大丈夫です」

「でも真冬が、小町ちゃんが意識不明の重体で病院に運ばれてるって……」

「あの、すいません店長」

「どうした?」

「真冬くんがそんな嘘ついたの、私のせいなんです。今日友人たちに嵌められて、合コンに参加してたんですけど……その、一身上の都合でどうしても逃げ出さなくちゃならなくて、それで真冬くんに電話しちゃったんです。迷惑かけましたよね、本当にすいません……っ」

「……怪我はないの?」

「無傷です」

「大型トラックにはねられた?」

「はねられてません」

「子猫を救った?」

「救ってません」

「………………おい、真冬」

「じゃ、俺あがりまーす」

「っ、てめえ逃げるな! こなくそ、縁起でもねえ嘘つきやがって! 俺がどんだけ心配したと!? あ、こらっ止まれ真冬っ!! お前、時給減らすぞこんちくしょぉおおおおおおおおおおおお!!」