結局、和君が去ってしまった後、私は一人体育館裏にいた。



「新入生、退場ーー」



体育館の中からそんな声が聞こえ、そろそろ戻ろうかな…と思い歩き出す。


出口から出て来た新入生に混じって、一年の教室へ。


今日はもう…疲れた。

早く帰りたい。


せっかく和君に会えたのに、何も言えなかったな…。


ていうより、聞いてもらえなかった。


けど、“仕方ない”。


こんな風になるだろうと、思っていなかったわけじゃない。