「白玖さまぁ!!」
廊下が慌ただしくなり、襖をあけ志々良が入ってきた。
「志々良、どうしました」
「天狗が、向かってきています!」
「なに!?」
また争いが始まる。
その事実に、胸を痛める。
「白玖、起きて・・・」
胸を痛めながら膝の上で眠る白玖を起こす。
できる事ならもっと眠らせてあげたい。
全てを忘れ、眠っているというのに、現実に引き戻すのは気が引けた。
「・・・ん?」
「天狗が、来たって」
蒼子の言葉に、少し間を置き小さく息を吐き出すと起き上る白玖。
白玖は刀をとり開かれた襖の方に向かう。
「準備する。志々良、手伝って」
「はい」
志々良は、白玖を追いかけて出て行った。