【莉乃side】



「な、なんなんだよアイツ」

「潤……」


衝撃的瞬間を見た私達。


私はかすれた声を出すことしかできなかった。


潤とあの子のキス。


どうして、

なんで、キスなんてしたの?


あの子の手を引いて走って逃げていく潤を見て


私たちから逃げたいんだって事は分かった。


でも、それだけの理由でキスなんてするの?


「おい、莉乃おいかけるぞ!」


賢人の言葉に、はっと反応するけれど

私の体は動かない。


目の前で見た光景はショックすぎて

言葉も出ない。


「……おい、莉乃?」