【潤side】


僕が屋上に行くと、


莉乃とあいつが話しているところだった。



少し早く来すぎたか。


影に隠れて少し時間をつぶす。


話し声は少し聞こえたけど

表情までは見えなかった。


『いいから早く行きなさいよ』


『おう、行ってくる』


ヤツが屋上から出て行き、去って行った後


影から覗くと莉乃は泣いていた。


泣きやむまで待っているのも

ずっと見ていたみたいでよくないだろう。


僕は莉乃の前に出ていくと


泣いてる彼女にハンカチを差し出した。