【未玖side】


『あの……さ、一緒に帰ってもいいか?』


賢ちゃんにそう言われて、思わずコクンと首を動かした。


カバンを持って下駄箱に行き

私たちは昔のように並んで帰った。


「…………」


「…………」



最初は気まずくて

何を話したらいいのか分からなかったけど


「昨日、テレビ何みた?」



賢ちゃんがいつも通りの話をし始めるから

だんだんその雰囲気は和らいできて


すごく安心した。


安心するとつい、自分の話をしてしまうのが昔からのクセで


自分の話と言ったら今は