「あれ?君、舞天桜ちゃんじゃない?」


その言葉で昨日の女を思い出す。


言われてみれば似てなくもない。


「そうですけど…あなたたちは?」


その言葉に軽く衝撃を受けた。


こいつ俺らのこと知らねえのか⁉︎


俺らがそれぞれ自己紹介を済ませると、遅刻するからっと言ってそそくさと昇降口へ走っていく。


「翔、あいつ…」


隣で俊がニヤッとして走っていく影を見つめる。


「ああ、調べてもデータが出てこないうえに俺らのこと知らねぇなんてな。おもしれぇ」


こんなにワクワクするのは久しぶりだな。


「珍しいね!翔が興味持つなんて!」


そう言う亮太も、さっきから目を輝かせてやまない。


「確かに」


基本無関心な雅樹までもが、これから始まる何かに期待しているようだった。


「ふっ…これからが楽しみだな」