『先輩と、友達をやめる』。



そう決意したその日から、私はさりげなく、汐見先輩から遠ざかるようになった。


校内で姿を見かけたらとりあえず逃げるし、先輩とすれ違っても話しかけない。


里菜も、松原先輩に会いに行くときはひとりで、もしくは嫌がるチョコちゃんを引っ張って連れていった。



....先輩と具体的に『友達』だった期間なんて、あの一日しかなかったし。


たぶん、大丈夫。

汐見先輩から来ない限りは、さりげなく自然に、疎遠になれる気がする。



だけど、目に見えて元気のない私に、チョコちゃんと里菜は納得いかないようだった。