「あたし……久間君とは友達のままでいたい」
「はぁ?なんで?俺のことが好きなんだよな?」
「好きだけど……友達のままがいい」
「いや、意味わかんねーし」
怪訝な声を出す久間君に、あたしはそれ以上何も言えなくて黙り込む。
だよね。
久間君の気持ちはよくわかる。
お互い好きなのに、付き合わないなんておかしいもんね。
怖いの。
勇気がないんだ。
また傷付けられたらどうしようって、そればっかり考えちゃって。
本当はあたし……自分に自信がないんだよ。
「ごめん……」
ごめんね。
あたしがもう少し強かったら、きっと迷わず久間君の彼女になってたのに。
傷付くのが怖くて、飛び込めないんだ。