『アンタは憶測ばっかで動いてるんでしょう』


『一生話しかけてこないで』


翼の言葉が頭の中で何回も繰り返す


テーブルの上の千円がやけに寂しそうに見えた


「……大河」


目の前に出されたタオルで我に返った


「翼ちゃん…だっけ? 目が笑ってなかったよ」


庵さんはそれをテーブルに置き、向いのイスに座る


「余程、心に傷が残る程だったんだな。 お前らがやった事は」


「……っ」


ギリッと手を握りしめた


庵さんは息を付いて、


「……何があったのか話してくれるか? 状況を思い出せば少しは整理ができるだろ。 お前が謝る経緯も」


「わかり…ました」


俺はイスに座り直し、経緯を話した