先輩のことは好きだよ。


たくさん、たくさん、好きだった。


だけど、同じぐらい私の中で清瀬くんも大きな存在になってしまって。


こんな気持ちでは、先輩の彼女だと、胸を張って名乗れない。


……だから、この決着に、後悔はない。


清瀬くんなんだよ。

私にこの選択をさせたのは。



「後悔してないから平気だよ」


「そっか……」


「この前はひどいことしてごめんね」



ずっと気がかりだった。


優しく声をかけてくれたのに、清瀬くんの手を払いのけてしまったこと。



「あ、いや!それは全然いいんだけど……。聞いてもいい?藤田はさ、俺のことどう思ってる?」


「え?どうって……?」


「きらい?」



え!?きらい!?



「きらいなわけないじゃん!」



即答すると清瀬くんが「そっかぁ!」と、笑った。


いつものように。

眩しい太陽スマイル。



「よかったぁ!俺、藤田に嫌われてんじゃねぇーかって心配してた!」


「ごめんね。私がひどい事しちゃったから……」


「本当に気にしないでくれ!嫌われるんだと思って落ち込んでたけど、嫌いじゃないって言われて少し元気出たからさ!」



清瀬くん……。


傷つけるようなことをしたのに、笑いかけてくれるんだね。


ねぇ、知ってる?
その笑顔を見てると私まで笑顔になるんだよ。