翌週の水曜の放課後、
オレは廉哉を空き教室に呼んだ。

「わざわざ、悪いな」

とりあえず、詫びる。

「別に用事がある
わけじゃないから気にするな」

優しい奴だな。

「それで、話しって?」

まぁ、そう思うよな。

普段から一緒にいるオレから
改まった話しがあるなんて
思いもしないだろうからな。

「オレはずっと
秘密にしてたことが二つある。
一つは廉哉を
恋愛対象で好きってこと。
もう一つは家族以外
知らないことだから、
多分信じられないと思う」

此処までは反応を示さないか?
と思った矢先に意外な
言葉が返ってきた。

「遥が俺を好きだとは嬉しいな」

え? 嬉しい?

「それで、
もう一つの秘密って?」

気持ち悪がられないだろうか?

軽蔑されないだろうか?

不安が募る中で
意を決して言う。

「オレの身体は特殊なんだ」

そう言って、廉哉の前で
下を全て脱いだ。

「おい遥」

いきなり脱ぎ出したオレに
驚いた廉哉の手を握って
女性器へと導いた。

「え……」

とりあえず、軽蔑は
されなかったみたいだ。

「遥、これは……」

驚くよな。

男友達と思ってた奴が
実は両性具有だったなんて。

廉哉の手を解放し、
下を穿いてからオレは
もう一度、
告白の言葉を口にした。

「廉哉が好きだ」

この身体のことを
知った上で廉哉は
どう返して来るだろうか?

「遥」

名を呼ばれ、
返事をする。

「何?」

「変なこと訊くが
子供産めるのか?」

とりあえず、
批難や軽蔑の
言葉じゃなくてよかった。

「まぁな」

苦笑いで答えたら
何故か、抱きしめられた。

「廉哉?」

これは、受け入れて
もらったと思っていいんだよな?

「最初に言っておくが
確認したが
勘違いしないでほしい。

俺もお前が好きだ」

あぁ、成る程。

別にそんなこと
思ってなかったけど……

てかマジ?

「廉哉本当?」

信じられない。

てか、その前に……

「気持ち悪くないのか?」

軽蔑されないのは
嬉しいが不安は拭えない。

男でも女でもない曖昧な身体。

「そんなこと思ってない。

遥がどんなでも
俺はお前が好きだ」

廉哉……

「嬉しい」

廉哉の首に
腕を回して、
自分からキスをした。

「これから、宜しくな」

オレたちは誰もいない
放課後の空き教室で
向かい合って笑った。