ようこそゲストさん
「遅くなっちゃったなー……」
私、佐原乃亜は図書室で勉強していたのにいつの間にか寝落ちしていて、暗くなった廊下を走っていた。
すると中庭がなにやら明るくて、目を向けてみる。
「クリスマスツリー……?」
学校で飾ってあるなんて…。ロマンチックだなぁ。
見惚れていると、後ろから腕が伸びてきて、私の体にずっしりと重みがのった。
「ひゃっ!……って、なんだ、柚希か」
びっくりして振り向くと、正体は幼なじみの柚希だった。
「図書室で勉強して帰るって言ってたからずっと待ってたんだけど、いつの間にか寝ててさ。やばって思って図書室に行ったらここにいたから」
寝てた……って。
「わ、私も、寝てたの……。」
「だからか、乃亜のマシュマロ肌に本の跡が残ってる。」
柚希がぷにゅぷにゅと私の右頬をつまんでくる。
そして耳元で。
「クリスマスはさ、ケーキ食べて、イルミネーション見に行こ?」