あいつに初めて会ったのは、



大学に入学したての、4月はじめ。




各サークルの新歓ーーー新入生歓迎のイベントの真っ最中。





あたしはその日、異様なノリの二回生の先輩がたの手によって突如、拉致られて。




とあるサークルの新歓バーベキューに強制参加させられていた。







先輩後輩いりまじって、適当なグループをつくり、円形に座っていて。





一回生は時計回りに自己紹介をさせられた。







―――そいつは、マシュマロブラウンに染めた、ものすごく柔らかそうなふわっふわの髪の毛を揺らしながら、




ぴょこん、と立ち上がって、見たことないくらいの屈託ない笑顔で、自己紹介をはじめた。