お兄ちゃんが帰ると
ガランとした部屋に蒼介さんと
2人きりになった。

「あの折り紙、残ってたんだな…。

病院いくとさ、

望、いっつも
あのデカいハートの折り紙に
なんか、書いてたんだよな…。」


ポツリとそう言った後、

蒼介さんは
その場の空気を変えるように
急にいつもの口調に戻った。


「お前、そういえば明日、あれだろ、

K校の1年、

紹介してもらうんだろ?」



「……え?」


あ、そうだった。

いろいろなことがあって、
すっかり忘れてた。