じっと私を見つめていた、

鋭い目をしたあの人。



あまりの怖さに


言葉がでてこない。



綺麗な顔立ちが、
ますます鋭利な鋭さを
際立たせている。



「おい!お前、聞いてんのか?」



「は、はい。」



掠れる返事。



震える手をのばすと、
大きな手で手首をグッとつかまれた。



「落とすぞ。」



手首を固定されたまま
携帯を受け取る。



「ちぃせえ手。」



その人はかすかに笑うと

優しい目で私を見つめ、

去って行った。