たとえそれが
妹さんの代わりだっていい。


私に向けられる
蒼介さんの全ての想いが

私に投影かれる
妹さんの幻に向けられたものでも
かまわない。


ときとして、
残酷な言葉を投げつけられたとしても

見知らぬ蒼介さんの姿に
傷つくことがあったとしても


それで、

蒼介さんの哀しみが薄れるのなら、

私は、蒼介さんのそばにいたい。



別れ際、
蒼介さんは哀しい顔をして笑いながら


「ごめんな、モモ」


と言って
優しく私の頭を撫でて去って行った。