「蒼介さん、どうして?
もう、メール来てないよ?!」


蒼介さんにズルズルとひきづられながら
ちょっと抵抗してみたものの、

手首をにぎる手の力は全くゆるまない。



「あのな、たかだか1日
メールが来なかったくらいで、
安心しすぎだっつうの。

メールが止んだ途端に俺と離れたら
バレバレだろ。

だから一樹と相談して、しばらくの間は
俺がお前の送り迎えをするってことに
なったんだよ。」


そう言いながら、
混んだ電車のなかで、当たり前のように
私のことを両腕でかかえるようにして
守ってくれる蒼介さんに
ドキドキしてしまって、

なにを話しているのか

わからなくなってしまった。