ピッ、ピッ、ピッ……居心地の悪いような甲高い機械音は、継続的に空気を伝い、震える。


「ねぇ、聞いてよ金石。新しい仲間にね、才能溢れるイケメンが入ったんだよ」


白い空間に、ポツンと置かれた白いベッド。横たわる女には数えたらキリがない膨大な機械の線が繋がっている。


その細い体に、とろけるように甘い視線を向ける、くるくるふわふわのパーマのかかったミディアムショートの少年、否、青年は、線が幾数も繋がった細っこい手の甲を柔らかく撫でる。


しかし、横たわる女からはその言葉への返事も、触れた手への反応もない。


青年への見返りは、無機質な機械の音のみ。


「キラキラしちゃってさぁ。あの頃の俺達と同い年なんだぜ。こんなこと言えるなんて変わったよな。……見た目はなんも変わっちゃいないのに。あの頃から、変わっちゃいないのに」


青年……二ノ瀬葉月は答えることのない女に向けて、ただ穏やかに、語りかける。