航太が新撰組に入隊してから数週間がたったある日……。




土方の部屋の縁側で日向ぼっこをしていると、襖から永倉の声が聞こえた。




「おーい航太ぁ、土方さんはいるかい?」




航太の怪我もだいぶ良くなり、起き上がれるまでに回復した。




永倉は航太の返事を待たずに襖を開けた。




「何だ、やっぱいなかったか。」




航太は永倉がいる襖まで近づくと、永倉が話しかけてきた。




「航太?おめぇ一人か?」




「へい、そうですよ。」




「ふぅーん………」




暫く考えた永倉は何かを思いついた。




「なぁ?もう歩けるんだろ?今日は暇か?」




「今のところは何も。」




「 今までずっと引きこもってばっかりで、つまんねぇだろ?」




「…と、言いますと?」




航太の返事に永倉はニヤリと笑った。




「今から出掛けようぜ!平助たち誘ってよぉ。」




「えっ?でも土方はんの許可がないと俺は外に出れまへんよ?」




「その辺は心配無用!もう一人の『副長』さんに許可を貰えばいいのさ。」




永倉に促されて、航太は土方の部屋を出てもう一人の『副長』の部屋へと向かった。